秋田県指定有形文化財「日吉(ひえ)八幡神社」(秋田市八橋本町1)の秋季大祭が9月15日・16日に開かれ、厳しい残暑の中、大町周辺地域の約8キロメートルにわたるコースをみこしなどが練り歩いた。
旧外町(とまち)地区(現在の大町から旭南地区周辺)の鎮守として、「八橋のお山王さん」の愛称で親しまれ、本殿や拝殿などが県有形文化財に指定される同神社。
本祭前夜に行われた宵宮では、太鼓や笛を鳴らしながら行列が同地区を練り歩き、住民は、棒の先端に御幣を付けた「御差鉾(おさしぼ)」から御幣を受け取ったり、はっぴ姿で行列に加わる小学生らに「おひねり」を渡したりしながら、家内安全や商売繁盛を祈願した。
神社がかつて飯島地区に所在し、みこしを初めて奉納したのが同地区住民だったとされることなどから、現在も同地区の住民40人がみこしの担ぎ手になる本祭では、厳しい残暑の中、2台のみこしや山車などがまちなかを練り歩いた。町内の関係者が同神社やイーホテル秋田(大町2)に設けられた「御旅所」に集まり、神事も開かれた。
カラフルな装束に身を包んだ幼児らの「お稚児さん行列」や地元小学生が参加する「子ども神輿」のほか、御旅所前の広場で奉納竿燈も披露されたり、今年は初めて、自転車タクシー「ベロタクシー」が宮司を乗せて行列に加わったりするなど、約400年の歴史を持つ祭りに花を添えた。