千秋美術館(秋田市中通2、TEL 018-836-7860)で、絵画展「ピカソ、マティス、シャガール-巨匠が彩る物語」が開催されている。
「うらわ美術館」(さいたま市)が所蔵するピカソ、シャガール、マティス、ミロなどのモダンアートの巨匠による代表的なオリジナル作品を紹介する同展は、20世紀半ばに黄金期を迎えた挿絵本の版画9作品、208点を前期・後期に分けて展示するもの。前期には約2,000人が来館した。
後期となる5月14日からの展覧会では、ピカソのビュホンの「博物誌」、シャガールのラ・フォンテーヌの「寓話」、マティスの「ジャズ」、彫刻家コールダーの「祝祭」などを「生きものたち」「色、かたち、リズムーサーカスとともに」「文学との出会い」の3つのテーマに分けて展示。
「文学との出会い」のテーマでは、シャガールが描いたギリシャの恋物語「ダフニスとクロエ」やアンドレ・ドランの「パンタグリュエル」を物語の流れに沿って展示する工夫を施した。同館学芸員の榎さんは「絵画としても楽しめるが、物語を読みながら見る作品は、ぐっと世界を広げてくれる。巨匠が描いた挿絵を見ながら、物語やその世界観をじっくりと味わってもらいたい」と話す。
「この展覧会の作品の多くは版画で、ドランの『パンタグリュエル』は1枚の版木を使って多色刷りをしている。中間色を使ったやさしい色づかいは日本人に親しみやすいもので、秋田にも世界に誇る版画家の勝平得之がいるが、ぜひ和と洋の違いを感じてほしい」(榎さん)とも。
5月24日には同館学芸員による例品解説があるほか、6月1日には洋画家・斎藤昇さんを講師に迎えた講演会「絵描きがみた巨匠の魅力」も開催予定。展示作品のポストカード(1枚160円)などオリジナルグッズも販売する。
観覧料は、一般=600円、高・大学生=400円、中学生以下無料。開館時間は10時~18時(入館は17時30分)。6月8日まで。
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