秋田市街地の架空のビルを題材にした美術展「あのビル」が11月21日から、明徳館ビル(秋田市中通2)で開かれる。
「空きビルや空き家が目立つ市街地の未来を考える機会に」と、景観などを研究する秋田公立美術大学大学院2年の佐藤ことみさんが企画した展覧会。同大学院1年の高升梨帆さんがキュレーターを務める。
佐藤さんと、都市をテーマにリサーチ活動などに取り組む横浜国立大学大学院2年の伊東陽菜さん、アーティストの伊多波七維さんの3人が、「あのビル」と名付けた架空のビルを題材に、ビル内の空間と音響を活用して共同で制作する作品や、インスタレーション、写真、音声など合わせて6点の作品を展示する。
「人口が急速に減少する秋田では、駅前など市街地にも空きビルが目立ち始めた。私たちがまちづくりのためにできることや、良いビルとはどのようなものなのかを考え、気づきが得られるようなメッセージを作品に込めて準備を進めている」と佐藤さん。「現状を憂うのではなく、未来へ向けた転換点として関心を持ってもらえる展覧会にできれば」と話す。
「空きビルについて考える 都市の余白の可能性」と題するトークイベントも開く。同大大学院教授で美術家の藤浩志さんとアートコーディネーターの芦立さやかさんをゲストスピーカーに招き、アートの視点から空きビル問題にアプローチする。
開催時間は11時~19時。入場無料。トークイベントは11月21日14時~15時30分。12月1日まで。