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秋田の古民家でアート展 若手美術家が祖父の故郷を訪れ時間と記憶テーマに

秋田市民俗芸能伝承館・旧金子家住宅(大町1)で作品展を開く小川美陽さん、栗原李佳さん、櫻井莉菜さん(写真左から)

秋田市民俗芸能伝承館・旧金子家住宅(大町1)で作品展を開く小川美陽さん、栗原李佳さん、櫻井莉菜さん(写真左から)

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 秋田公立美術大学(秋田市新屋大川町)の大学院生と大阪市在住アーティストの2人展が11月3日、秋田市民俗芸能伝承館・旧金子家住宅(大町1)で始まった。

床の間など古民家の特徴を生かして展示する映像作品

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 写真を使う作品の制作に取り組む秋田市在住で同大学院複合芸術研究科2年の栗原李佳さんと、大阪市在住のアーティスト・小川美陽さんが「時間」「記憶」をテーマに制作した作品展。同大学院2年の櫻井莉菜さんが、写真や映像を使う作品の制作に取り組む2人に提案し、「Where I am, Anyways」と題して企画した。

 栗原さんは、亡き祖父の写真や、祖父の出身地・羽後町を訪れて撮影したモノクロ写真を木板に貼り付け、アクリル絵の具で輪郭をなぞるなどした作品20点を展示。「過去の記憶として平面的な写真に絵の具を塗り重ねることで、人の曖昧な記憶を表現した」という。

 小川さんは、祖父の故郷・兵庫県たつの市室津を訪れ、祖父の靴を履いて散策。見えた景色と足元を同時に投影する映像や太陽光を利用して靴と足の像を紙に映し出す映像作品を、畳や床の間など古民家の特徴を生かして展示。「祖父と祖父の故郷との見えないつながりや、祖父が見たであろう景色を通して私が生きていることを再認識した。靴と足の間にできる隙間にも愛おしさを感じた」と話す。

 栗原さんと小川さんが制作中に送り合った手紙を、櫻井さんが朗読した音声を聴くことができるヘッドホンを会場内に設ける。3人は「音声で紹介する制作の過程を含めて、写真や映像だからこそ感じることができる過去と現在の距離感などを、皆さんに伝えられれば」と口をそろえる。

 営業時間は9時30分~16時30分。入場料は100円(高校生以下無料)。11月15日まで。

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