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コロナ禍で生まれた「のぞき穴」から観劇公演、秋田でも好評

秋田駅前のオープンスペースで行われた円形劇場公演の様子

秋田駅前のオープンスペースで行われた円形劇場公演の様子

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 コロナ禍に対応した演劇公演「月灯(あか)りの移動劇場」が5月30日、秋田拠点センター・アルヴェ(秋田市東通仲町)で開かれた。

円形劇場のブースに設けられた郵便受けに見立てた「のぞき穴」から演劇を鑑賞する観覧者

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 舞台を円形に囲むように配置した30枚の仕切りでブースを設け、観客が、郵便受けなどに見立てた「のぞき穴」からのぞくように演劇を鑑賞する公演。

 愛知県在住で演出も手掛けるダンサーの浅井信好さんが、コロナ禍をきっかけに、舞台上の演者と観客の関係性を見つめ直す試みとして考案し、国内外から注目を集める。

 用意した80席ほどの観覧チケットを完売して初めて開いた秋田公演は、2020年12月に名古屋市で初演された作品を大幅に練り直した新作「Peeping Garden/re:creation」を3回に分けて上演。

 「(のぞき穴から)思っていたより広く見わたすことができた。のぞき穴越しに、ほかの観覧者と目が合うこともあり、面白く新鮮な経験だった」と、観劇した秋田市在住の30代の女性。同市在住・50代の女性は「左右の仕切りのため、ほかの観客の気配を感じにくいため、舞台と空間を独り占めしているかのように集中できた」と話すなど、観覧者は独創的な舞台を楽しんだ。

 公演を主催した、舞踏・舞踊イベントを企画・運営する「踊る。秋田」実行委員会(大町1)のダンスイベント・ディレクターの山川三太さんは「公演の反響の大きさに驚いた。6年前から秋田で開くダンスイベントが、名実ともに市民有志による国際フェスティバルに成長したことを実感し、感動を覚える」とし、「コロナ禍で、改めて人と人との距離やコミュニケーションのあり方、人間と自然との関係、地方で暮らすことの意味などについて、皆さんが真剣に考え始めていることを示した公演になったのでは」と振り返る。「今秋に予定するイベントへ向けて、より良い舞台をお見せできるよう努めたい」とも。

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