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秋田の「人形道祖神」本、県外で関心高まる 都内でトークイベントも

冊子未掲載作品「本堂城廻のショウキサマ」(宮原葉月さん)

冊子未掲載作品「本堂城廻のショウキサマ」(宮原葉月さん)

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 秋田県内に多く残る「人形道祖神(にんぎょうどうそじん)」を題材にした冊子への関心が、現在、県外で高まりを見せている。

秋田県内各地に残る「人形道祖神」

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 「悪霊や疫病などの災いが村に入ってこないように」との願いを込め、村の境界や道端に祭られる民間信仰の対象「人形道祖神」。

 「人形道祖神の造形や風習に魅了された」という、秋田市在住の郷土史研究家の小松和彦さんとイラストレーターの宮原葉月さんが7月、冊子「村を守る不思議な神様~あきた人形道祖神めぐり」(1,300円)を自費出版した。

 行事や風習を軽やかに解説する小松さんの文章と、人形道祖神から受けたインスピレーションで描く宮原さんのカラフルなイラスト作品が注目を集め、自費出版ながら、代官山蔦屋書店(東京都渋谷区)のほか、宮城県や愛知県、大阪府、広島県など1都1府6県の書店で取り扱う広がりを見せる。出版1カ月半ほどで販売した約700冊のうち、7割以上が県外で売れた。

 9月1日・2日、アートイベント会場などに使われる「hako gallery」(東京都渋谷区)で、宮原さんが描いた冊子未掲載の「人形道祖神」作品も展示するトークイベントを開く。

 「秋田県は人形道祖神の分布数で全国一だが、造形のバラエティーも豊か。県南の雄物川流域や県北の大館市を中心とした米代川流域に密集し、ナマハゲなどの行事が行われている男鹿市や秋田市河辺地区、由利本荘市などの地域では見られない特徴もある」と小松さん。「都内で開くトークイベントでは、スライド写真を見ていただきながら、人形道祖神にまつわるエピソードを紹介する。地元の食材を使った軽食やお酒を用意し、シタール奏者のヨシダダイキチさんの演奏も披露する。皆さんに足を運んでもらえれば」と話す。

 トークイベントは、9月1日=13時~、17時~。2日=13時~。参加費は1,500円。問い合わせは、小松クラフトスペース(TEL 018-837-1118)か「hako gallery」(TEL 03-5453-5321)まで。

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