秋田で「食べる生物学講座」-身近な魚介類をテーマに

講座で教材のシラスとハマグリを調理する受講者

講座で教材のシラスとハマグリを調理する受講者

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 「大学コンソーシアム秋田」(秋田市中通2、TEL 018-825-5455)が開講する市民講座「食べる生物学講座-身近な魚介類で美味しく学ぶ生命の不思議」が定員を超える人気講座となっている。

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 魚介類をテーマに生物学を学ぶ同講座は、講義に使用した「教材」をそのまま「食材」として料理を楽しもうというもの。先月開講された「ホヤ-脊椎生物のルーツ」講座につづいて2回目となる2月21日は、「シラスとハマグリ-海洋生態系を知る」をテーマに開講され、約20人の市民が受講した。

 生物学が専門で秋田大学教育文化学部の石井照久准教授による講義は、「ハマグリには2つの貝柱がある」「イワシやアユの幼魚が主体の『シラス干し』に、カニやイカの幼生などが混じっていることがあるが、これはそれらの生物がその海にいる証。食物連鎖の基盤をなす海が健康であることを意味する。食材としても海の栄養分を豊富に採ることができるので人の健康にも良い」ことなどを身近な視点から解説。受講者も顕微鏡で観察するなどし、生物学を楽しみながら学んだ。親子で参加した受講者は「普段何気なく食べている魚介類のことが分かって楽しい。買い物の参考にもなった」と話していた。

 石井准教授は「スーパーで刺身がパック販売される現在、食がどのような過程を経て自分の口に入るか分からない学生も増えた。そのプロセスや生命の発生を、子どもやその親に伝えたい」と、食卓に並ぶことの多い魚介類を講座の教材に選んだという。

 同講座を担当する佐藤昭さんは「市民の皆さんからは縁遠く思える大学の研究も、切り口を変えれば誰でも楽しく学ぶことができる。こういう機会を通じて知識を広げ、日々の生活が潤いを持つものになれば」と話している。

 次回の講義は、「イカ-背骨のない動物」と題して3月14日に開講するが、すでに定員を超えたため募集は行っていないという。

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