秋田の伝統食「しょっつる」をテーマにスローフード講座

秋田のスローフード「しょっつる」の醸造や魅力について講演する諸井さん(左)。スクリーンには「Shottsuru」の文字も

秋田のスローフード「しょっつる」の醸造や魅力について講演する諸井さん(左)。スクリーンには「Shottsuru」の文字も

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 地元のスローフードをテーマにしたセミナー「今、見つめ直そう秋田の伝統食」が11月7日、秋田ビューホテル(秋田市中通2、TEL 018-832-1111)で100人以上が参加して開講された。

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 食品関連企業とともに業界の未来を考えることを趣旨に、パッケージ販売会社「かねひろ」(外旭川三千刈)と「ダイナミックサニート」(外旭川三後田)が共催する同セミナーは今年で2回目。

 大量生産や大量消費と対極にある郷土食などの「スローフード」とビジネスとの関連を探るのがセミナーのテーマ。今回は、能登の「いしる」や香川の「いかなご醤油」とともに日本三大魚醤(ぎょしょう)に数えられる秋田の「しょっつる」を製造する「諸井醸造所」(男鹿市)の諸井秀樹さんと、厨房機器メーカー「マルシェマシナリー」(島根県松江市)の小安正好社長を講師に招いた。

 「しょっつる」を秋田県の県魚「ハタハタ」のみで醸造する諸井さんは「秋田の郷土食というべき調味料『しょっつる』の製法は秘伝とされることもあるが、伝統的製法で作っている会社が少ないのは残念。私は醸造学も学んだので『本物』を作りたいと思った」とし、フィリピンまで出向き地元の魚醤「ニョクマム」や「ナンプラー」を研究したことなど本物の「しょっつる」が醸造できるようになるまでの10年間を振り返りながら講演。「大企業と同じことをしていても仕方がないと思っている。力を貸してくれた皆さんに感謝している」とし、「しょっつる」はスローフード先進国のイタリアでも「食の世界遺産」にノミネートされたことなどを紹介した。

 小安社長は「食品は時間をかけて凍結することによって解凍時に『うまみ』成分を失う」ことに着目し、これを回避する技術の開発話などを交えながら「同製品の導入事例は東北では秋田が一番多い。これは食へのこだわりや意識の高さの現れ」とまとめた。

 講演後に行われたパネルディスカッションで、「最近ではアユを使った魚醤を作る動きもあるが」との問いかけに、諸井さんは「新たな動きがあっても『伝統』を守り続けることが自分たちの努め」と答えた。続く懇親会では、「しょっつるのパスタ」など創作「しょっつる」料理を楽しみながら、参加者は親睦を深めた。

諸井醸造所マルシェマシナリーかねひろダイナミックサニート秋田ビューホテル

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