慶應義塾大学大学院・保井俊之教授のグループが進めてきた秋田市の中心市街地の活性化をテーマにした研究分析結果の発表会が5月22日、バー「レッドハウス」(秋田市中通2)で開かれた。
「システムズ・アプローチによる住民選好の数量化・見える化~中心市街地活性化の新しい政策創出の方法論」と題し、「先行社会調査があること」「社会厚生指標が厳しいこと」などから秋田市をフィールドに選び、同大学院システムデザイン・マネジメント研究科の保井教授を中心に同大学院生らが昨年から研究を進めてきた。
地元の社会活動家や企業経営者、市役所職員ら約20人が参加して行われた当日、地域活性化政策のためには、「ハコモノ中心、国頼みの事業計画」や「勘・経験・度胸」だけを頼りにするのではなく、「コミュニティーの社会システムに注目すること」「地域住民の声を見える化・定量化すること」などの必要性を指摘。秋田市内で開いたワークショップやアンケート結果などを基に、マーケティング手法などを用いながら分析した地域活性化へ向けた「理想のシナリオ」案などを発表。参加者と意見交換も行った。
「これまでの事業は『地元への思い』で取り組んできたところも少なくない。科学的手法としてこれからの事業に生かしていければ」と、参加した秋田青年会議所専務理事の田口正人さん。
保井教授は「分析結果に対する秋田の皆さんの指摘は大変に鋭い。皆さん自身にも同様の手法を試していただきながら、地域活性化政策などに生かしてもらえれば」と振り返る。