学ぶ・知る

秋田美大の演習素材に生活文化財 受講生が「油谷これくしょん」を調査訪問

秋田公立美術大学大学院(秋田市新屋大川町)が展開する地域考プログラムで、生活文化財展示施設「油谷これくしょん」(金足片田)を調査訪問する受講生

秋田公立美術大学大学院(秋田市新屋大川町)が展開する地域考プログラムで、生活文化財展示施設「油谷これくしょん」(金足片田)を調査訪問する受講生

  • 8

  •  

 秋田公立美術大学(秋田市新屋大川町)が展開する地域考プログラムの受講生らが1月9日、生活文化財の展示保管施設「油谷これくしょん」(金足片田)を訪れ、リサーチ活動に取り組んだ。

秋田市金足片田の生活文化財展示施設「油谷これくしょん」

[広告]

 主に明治期から昭和期に使われた民具や農具などの生活用品や雑貨類の収集物「油谷これくしょん」。秋田市在住の油谷滿夫(みちお)さんが収集した50万点におよぶコレクションのうち、秋田市に寄付された約20万点が生活文化財として同施設に展示・保管される。コレクションが、同大学大学院複合芸術科の受講生公募型ワークショッププログラム「AKIBI複合芸術ピクニック」の演習素材に選ばれたことから、県内を含む7都府県に在住する9人の受講生が、調査のために施設を訪れた。

 道具が使われる場面などにより、気候・余暇・食・芸能・生業・家族の6カテゴリーに分けられた計60点の道具の中から任意の道具を選んだ受講生は、館内に並ぶ膨大な数の展示品に驚いた様子を見せながら、館内を案内する油谷さんに質問を投げかけるなどして、道具が使われた時代背景や役割などを調査した。受講生は市内に15日まで滞在し、調査した情報に編集などのデザインプロセスを加えることで、独自の「物語」を作り上げる課題に取り組む。

 慶応義塾大学SFC研究所研究員で岡山県在住の山﨑隆正さんは「コレクションの物量に圧倒された。見る者によって印象が大きく変わりそう。わら靴などの素材や時間の経過に着目してリサーチを深めたい」と意欲を見せる。

 油谷さんは「受講生の皆さんが道具の背景を追究する姿勢に感激した。道具が語る世界から感じたことが、どのような物語につながるのか楽しみ」と期待を寄せる。

 成果物の発表は1月14日、秋田市文化創造館(千秋明徳町)で開催予定。開催時間は13時~16時。入場無料。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース