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秋田で「ハタハタ」本が再発行 9年ぶりの再取材で大幅増補

「ハタハタ」を題材にした冊子を発行する編集者の三谷葵さん(左)とカメラマンの高橋希さん(右)

「ハタハタ」を題材にした冊子を発行する編集者の三谷葵さん(左)とカメラマンの高橋希さん(右)

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 出版物の企画・編集などを手がける「yukariRo(ゆかりろ)」(秋田市広面字谷地田)は7月23日、秋田の県魚を題材にした冊子「鰰(はたはた) 本隊接岸~ハタハタフィーバーの謎を追う」の増補版を発行する。

「鰰 本隊接岸~ハタハタフィーバーの謎を追う」

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 冬の味覚として県民に親しまれるスズキ目のハタハタ。10年ほど前に秋田県外から転居した編集者の三谷葵さんが、県内で大量に漁獲されるハタハタの流通や消費、地元で見聞きする「本隊接岸」やハタハタの卵「ブリコ」の意味に興味を持ったことなどをきっかけに、2013(平成25)年から、市内在住カメラマンの高橋希さんと男鹿市北浦漁港などに足を運んで取材に取り組み、翌年、同名の冊子を発行した。増補版は、初刊から10年の節目を迎えるのを前に同漁港を中心にハタハタを取り巻く現状を再取材し、ページ数を約2倍に増やして発行する。

 約9年ぶりとなる取材で2人が目の当たりにしたのは、ハタハタ漁を取り巻く状況の著しい悪化。かつての乱獲の影響などによる資源の枯渇に加えて、高齢化の進む漁師は、この5年ほどで半減した。前回の取材時には、ハタハタを買い求める市民でにぎわっていた漁港で直売される「浜売り」は、2015(平成27)年から資源の保護を目的に事実上禁じられるなど、漁港の風景も様変わりしたことを知った。

 三谷さんは「大切な食文化でありながら、10年以内にハタハタ漁が行われなくなることも危惧される。この冊子が未来への提言につながれば」と話す。「9年前にはおいしいと思えかったハタハタの飯寿司は、今では自分で作るほど(笑)」とも。高橋さんは「ハタハタの魚卵が海岸に打ち上げられた『ブリコ浜』を見たい思いだけで始めた取材だったが、記録としても意義ある内容に仕上がったのでは」と自信を見せる。

 仕様はB6判、カラー、28ページ。価格は660円。初版1000部。市内書店やイベント会場などで販売するほか、ネットでも扱う。題字をプリントしたTシャツ(3,000円)は「調子に乗って作った」。

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