秋田魁新報社と秋田銀行など3社は8月28日、県民の取り組みを支援する購入型クラウドファンディングサービス「FAN AKITA(ファンあきた)」の運用を始めた。全国紙や地方紙がクラウドファンディングを運用する例はこれまでに数件あるが、地方紙が地方銀行と協力して運営する例は珍しい。
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同社と同行が、事業単位で少額投資を募るマイクロ投資ファンドを運営する「ミュージックセキュリティーズ」(東京都千代田区)と提携して始めた同サービス。地元を拠点に活動するNPOやボランティア団体、事業主、個人などから事業企画を受け付け、支援希望額と募集期間、事業内容をサイトに掲載。支援金が目標金額に達することで支援が成立し、支援者には支援金額に応じた関連グッズなどを進呈する。目標金額に達しなかった場合の支援金は支援者に返される。
クラウドファンディングは全国の不特定多数の個人を対象に支援金を募ることが一般的だが、県内に支局と販売店を100カ所以上持つ同社と100店以上の支店を展開する同行が連携することで、両社が持つ情報発信力やコンサルティング機能を生かすほか、事業アイデアの収集につなげたい考え。初回募集事業は以下の3件。
「超神ネイガー」のヘルメットで試合に挑むスケルトン日本代表の笹原友希選手の活動支援事業、秋田市千秋公園で打ち上げ花火大会を開く「千秋花火プロジェクト」、市郊外の里山を活用した体験教室などを開く「あきた里山學校プロジェクト」。目標金額は20万円~100万円。支援金額は事業により1口3,000円~20万円。
秋田魁新報社経営企画室の田口清洋室長は「地方紙と地銀の強みを生かすことで秋田発の魅力あるプロジェクトの支援に結び付けたい」とし、「地域の発展を担う事業者向けの新しい資金調達法。身近に利用できるファンドとして活用いただければ」と話す。