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秋田・五城目の架空の村に「年貢」続々-村民も500人超え

「シェアビレッジ町村」の舞台となる秋田県五城目町の古民家

「シェアビレッジ町村」の舞台となる秋田県五城目町の古民家

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 秋田県五城目町にあるかやぶきの古民家を架空の「村」に見立てて「村民」を募集するプロジェクト「シェアビレッジ町村」が現在、注目を集めている。

「シェアビレッジ町村」メンバーの皆さん

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 高額な維持費や住む人がいないことなどから解体も検討された人口1万人ほどの同町にある築133年の古民家。「農業が軸のコミュニティーを形成することを通じて古民家を保全することができるのでは」と、起業家ら有志が「村民」を募集する。

 プロジェクトを立ち上げたのは、トラクターに乗る男前農家集団「トラ男」として首都圏でイベントなどを手掛ける北秋田市出身の武田昌大さん、五城目町の小学校廃校を拠点に地方発の新規事業の創出などに取り組む丑田俊輔さん、東京大学卒業後、ベンチャー企業を経て現在、「五城目町地域おこし協力隊」として活動する柳澤龍さん、大潟村松橋ファームの3代目としてこれからの農業のあり方に取り組む松橋拓郎さんの4人。

 「年貢」と名付けた年会費(3,000円~10万円)を納めることで村民になれ、都市部で開催予定の「寄り合い(飲み会)」や同町への「里帰(宿泊)」、農作業「開墾」、年1回開催予定の「一揆(特別イベント)」などユニークなイベントに参加できる権利を得られる仕組みを考案。

 2月下旬、クラウドファンディングを使って「村民」を募集したところ、32時間ほどで目標額の100万円達成。24日現在560人が応募し、これまでに目標を大きく上回る392万2,000円の「年貢」が集まった。

 農作物と宿泊を担当する松橋さんは同事業が好調な理由について、「首都圏からの応募が多い。遊び心を盛り込みながらコミュニティー形成の具体的な手法を示せたことが皆さんの共感につながったのでは」と分析する。

 「村長」を務める武田さんは「村があるから村民がいるのではなく、村民がいるから村ができるとの考えで準備を進めている」とし、「古民家の再生だけではなく、アーティストやエンジニア、起業家などの組み合わせで人がつながっていけるような村づくりを目指している。第二の故郷を自分たちで作る動きに加わってもらえれば」と参加を呼び掛ける。

 開村は4月中を予定。

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