「模写・佐竹本三十六歌仙絵巻展」が現在、秋田県立美術館(秋田市中通1)で開かれている。市内で開催中の「あきたアートプロジェクト」の一環。
平安時代中期の公卿(くぎょう)で歌人の藤原公任が古今36人の秀歌に肖像画や略歴を添えてまとめた「三十六歌仙絵」。
後に多くの同作品が描かれた中でも、鎌倉時代の作と考えられる秋田藩主・佐竹家伝来の「佐竹本」は現存する最古のものとされる。13メートルの絵巻2巻からなる同作は1919(大正8)年、37枚に分割して譲渡されたことから、現在では「絵巻」として見ることができなくなっている。
展示するのは、佐竹家に縁のある水墨画家・佐竹雲遊さんが、分割された同作の現状を憂い、5年の歳月を費やして2012年3月に「絵巻」として完成させた模写。原本と同じ大きさ、同じ顔料による彩色にこだわって制作した。明治時代に制作された秋田市出身の日本画家・土屋秀禾(しゅうか)の模写も展示する。
観覧時間は10時~18時。入場無料。10月26日まで。