秋田に現代アート美術館併設の「老人ホーム」-再来年春オープン予定

現代美術家・草間彌生さんの世界的コレクターとしても知られる穂積恒さん、芸術家・村山留里子さん、フォーエバー現代美術館・チーフキュレーター加藤淳さん(右から)

現代美術家・草間彌生さんの世界的コレクターとしても知られる穂積恒さん、芸術家・村山留里子さん、フォーエバー現代美術館・チーフキュレーター加藤淳さん(右から)

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 医療法人と美術館運営会社で構成するウィズユーグループ(秋田市中通1、TEL 018-825-5588)は10月22日、現代美術ギャラリーなどを併設する「介護付き有料老人ホーム」を2011年春にオープンすると発表した。これに伴い、同グループが運営する「フォーエバー現代美術館ギャラリー(FMOCA)」(同)は10月25日で閉館する。

秋田で唯一の現代美術館「フォーエバー現代美術館(FMOCA)」

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 JR秋田駅東口約930坪の敷地にオープン予定の「老人ホーム」は、鉄筋3階建て。館内には、現代美術家・草間彌生さんの世界的コレクターとしても知られる「外旭川病院」(外旭川)院長の穂積恒さんのコレクションを展示する「現代美術ギャラリー」のほか、カフェや英会話教室など入居者以外の利用を想定した施設も併設することで、「入居者が社会から閉ざされない環境づくりを目指す」(穂積さん)という。

 同グループが、「外旭川サテライトクリニック」(外旭川)などを通じてこれまで行ってきた「医療現場におけるアートの効果」に関する研究成果を生かし、現代美術の鑑賞を活用する「エデュケーションシステム」を開発・運用することで、入居者の認知症予防にも積極的に取り組む。

 「アートの鑑賞が患者の治癒(ちゆ)に有効であることは、これまでにも概念的には考えられているが、十分に客観的なデータはない。エデュケーションシステムなどを通じて証明したい」と穂積さん。同館チーフキュレーターの加藤淳さんは「美術館の社会的役割は、時代とともに変化してきた。近年では、美術館が積極的に社会的メッセージを発信する傾向もあり、当グループは医療とアートの融合を目指したい」と話す。

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