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秋田の「曲げわっぱ」専門店、伝統工芸職人と信頼関係築き20周年

20周年を迎えた曲げわっぱ専門店「元丸屋」店主の馬場正夫さん

20周年を迎えた曲げわっぱ専門店「元丸屋」店主の馬場正夫さん

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 曲げわっぱ専門店「元丸屋」(秋田市泉北1、TEL 018-824-1145)が5月28日で20周年を迎えた。

曲げわっぱの「小判弁当」箱

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 薄く製材した秋田杉を材料に使う秋田県大館市の伝統工芸「曲げわっぱ」。秋田市在住のカメラマン馬場正夫さんが、大館市の工房「栗久(くりきゅう)」に1年ほど通うなどして、2005(平成17)年に開業した。

 扱う製品は、同工房が作る「おひつ」(3万6,300円~19万8,000円)や弁当箱(9,900円~2万3,320円)を中心に、結露しにくい曲げわっぱの特長を生かしたシュガーポット(5,500円)や氷入れ(1万9,800円)、ワインクーラー(8万8,000円、13万2,000円)など80点以上。

 「曲げわっぱ」製品のネット販売が珍しかった当初から、ECサイトの運営に力を入れた馬場さん。「開業3年ほどは思うように売れなかった」が、製品の手入れ方法や修理しながら長く使えることなどネット上に少ない情報を多く掲載したり、樺(かば)細工製品や川連漆器など商品ラインアップを増やしたりするなどしながら営業を続け、これまでに販売した商品は1万点を超えるという。

 さらに、工芸品が現代の暮らしの中で使われる環境を検証。持ち歩きやすいスリムタイプや2段重ねの弁当箱などのアイデアを同工房に提案し、「低価格に抑えた」という円柱状の丸型弁当箱や、ご飯の食味が守られるような構造の「おひつ」など、職人と信頼関係を築きながら開発したヒット商品も生まれた。

 秋田市に居を移して約60年になる横浜市出身の馬場さんは「秋田が誇る文化をブログで紹介することがきっかけの当事業。ブロガーや顧客との交流も生まれたり、材料が手に入りにくくなったりするなど時代の変化があった」と20年を振り返る。「真と善、美の精神を持つ職人の作る製品の紹介を続けられれば」と話す。

 営業時間は不定。来店には予約が必要。

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