日本一豪華な「古代の水洗トイレ」、復元工事着工-秋田城跡で

発掘された3基の便槽。写真右から「発掘状態」「構造解説用モデル」「完全復元レプリカ」

発掘された3基の便槽。写真右から「発掘状態」「構造解説用モデル」「完全復元レプリカ」

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 国の史跡「秋田城跡」(秋田市寺内)にある「水洗厠舎跡(すいせんかわやあと)」の復元工事が着工された。

古代の水洗トイレ「水洗厠舎」推定復元図イラスト

 東西3間と南北3間の建造物「水洗厠舎」は、奈良時代後期の「水洗トイレ」。建物の中の北の1間に3基の便槽(べんそう)が並ぶ形で1994年~1995年にかけて発掘された。

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 直径約45センチの筒状の便器に長さ約6メートルの丸太をくり抜いたパイプを地中に埋めた「便槽」は、緩い傾斜を持つ。カメの水で流された排泄物はパイプを通り、建物の外に掘りこまれた沈殿槽に溜り、上澄みだけが沼地に流れ出る仕組み。

 復元工事を行う秋田城跡調査事務所(秋田市寺内)の伊藤武士さんは「この時代の水洗トイレとして全国的にも珍しい特異な構造」とし、「当時の日本人が食べていなかったはずの豚肉に寄生する虫の卵が周辺から発掘されたことや、日本一豪華な造りと言っていいトイレなどから、秋田城は、大陸や朝鮮半島の使節団を迎え入れるための迎賓館としても機能していたのでは」と推察する。

 「全国的にも例がない歴史資料としての価値も高いが、復元には苦労もある」(伊藤さん)が、「当時使われた青森のヒバ材を当時の道具で削った建材を使うなど完全復元を目指す」とも。総工費は3,920万円。

 来春の一般公開を予定し、水を流す水洗体験などを予定するが、実用のトイレとしては使えない。

 10月25日には、ボランティアガイドによる秋田城跡の散策会も開催し、古代水洗トイレの復元工事現場の見学もできる。参加無料。先着30人。希望者は同事務所(TEL 018-845-1837)まで電話で申し込む。