「秋田竿燈(かんとう)まつり」に参加する「竿燈会」別の演技場所を表示するマップが、毎年、閲覧回数を増やしている。
「竿燈マップ」に試験掲載した「アルフィー竿燈(毘沙門町)」の提灯
開催4日間で120万人以上の来場者が大通りを埋め尽くす、秋田市の伝統行事「秋田竿燈まつり」。70団体ほどある町内や企業ごとの「竿燈会」が、大町2丁目橋から山王十字路までの大通り約850メートル、上り・下り合わせて約1700メートルを、約80メートルずつ移動しながら演技を披露する。
「時間を区切って移動する竿燈会ごとの演技場所を見つけやすい工夫を」と、2018(平成30)年、市民有志のグループ「Code for Akita(コード・フォー・アキタ)」が、オープンデータを使い、スマートフォンで演技位置をリアルタイムに確認できるマップを初めて制作。以降、観光客向けに仮設トイレの設置場所など掲載内容に工夫を加えながら、感染症拡大期による中止期間を挟み、毎年公開する。2019(平成31)年には、「オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構」(東京都千代田区)の表彰事業で「シビックテック賞」を受賞した。
主にマップが利用されるのは、まつりの開催期間8月3日~6日の4日間ながら、年々利用者を増やし、初年に5000回ほどだった閲覧回数(PV)は、2023年には約5万5000PV、公開5回目を数える今年は、約7万PVに。おおむねの利用者数を表すユニークユーザー数は、約9000件。
「竿燈会の位置をマップ上で示す提灯のアイコン。今年は、毘沙門町の『アルフィー竿燈』提灯を試験的に反映させたが、スポンサーや企業の図柄などを反映させられれば」と、マップの制作を担当する小林秀樹さん。同団体メンバーで市人事課自治研修センターの柿崎知洋さんは「竿燈会ごとの詳しい情報の掲載を増やなど、観覧皆のニーズに応えられる内容で発信を続けたい」と話す。「観覧者へ向けて、竿燈演技者のまつりに賭ける意気込みメッセージを発信するのも面白いのでは」とも。