「土崎港曳山(ひきやま)まつり」でまち中を回る山車の現在地を表示するウェブサービス「ひきやまっぷ」が、7月20日・21日、初めて提供される。
土崎神明社(秋田市土崎港中央3)の例祭で、300年以上の歴史を持つ「土崎神明社祭の曳山行事」。高さ4.5メートル、重量2トンに及ぶ戦国武将の人形飾り付きの木製の山車「曳山」を町内会ごとに用意し、26台がまち中を回る。
行事に同サービスを提供するのは、秋田工業高等専門学校(飯島文京町)の井上誠教授の研究室。同地区で取り組む建築物や地域づくりの研究の一環として、山車に位置情報を発信するスマートフォンを備え付け、山車の現在地をスマートフォンやパソコンの地図上にリアルタイムで表示する仕組みを提供する。
行事の実行委員会のほか、伊藤ソフトデザイン(大仙市)やコード・フォー・アキタ(八橋本町5)、社会貢献活動に取り組むソフトバンクCSR本部などの協力を得て実施する。
同研究に取り組む空間デザインコース5年の荻原翠さんは、土崎生まれの土崎育ち。「子どもの頃から参加するまつりに研究で携わることができて誇らしい。関係者の皆さんの協力で準備を進めることができた。市民や観光客の皆さんに利用いただければ」と話す。
井上教授は「山車の運行から得られるデータを収集し、これからの行事や地域づくりに生かすことができれば」と成果に期待を寄せる。