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秋田の「人形道祖神」プロジェクトが話題に イラストレーターら書籍出版へ

「秋田人形道祖神プロジェクト」を展開する小松和彦さん(左)と宮原葉月さん

「秋田人形道祖神プロジェクト」を展開する小松和彦さん(左)と宮原葉月さん

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 秋田県内に点在する「人形道祖神」をリサーチする秋田市在住のイラストレーターと工芸ギャラリー店主の取り組みが現在、SNSなどで注目を集めている。

秋田県内各地に残る「人形道祖神」

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 わらや木で作られ、厄除けなどを目的に村境や道ばたに祭られる「人形道祖神」。秋田県内では、地域により「カシマサマ(鹿島様)」「ショウキサマ(鐘馗様)」「ニオウサマ(仁王様)」「ドジンサマ(道祖神様)」などの呼び名で親しまれ、例年、春や秋に作り替えや補修作業を伴う行事が行われる。

 昨秋、「小松クラフトスペース」(秋田市中通4)店主の小松和彦さんから人形道祖神について聞いた神奈川県出身で秋田市在住のイラストレーター・宮原葉月さんが、小松さんに「道祖神の魅力を伝える本の出版」を提案したことから意気投合し、3月から県内で人形道祖神の取材活動を始めた。

 「秋田人形道祖神プロジェクト」と銘打つ取り組みを紹介したツイッターの投稿には、3000回以上のリツイートや7000件以上の「いいね」が寄せられるなど注目を集め、7月に開催予定の人形道祖神が題材のトークイベントには県内外から40人の定員が埋まる申し込みがあった。急きょ追加公演の開催を決めた。

 東南アジアや西アフリカなど多くの国々を訪れた経験を持つ小松さんは「明治政府の宗教政策などにより、道祖神の文化が衰退した集落は多いが、面だけのものや石で作られたものなどを含めると、県内には100カ所以上残る。全国で1番多いのでは」と話す。「マニアックだが、人形道祖神には隠れファンが多い」とも。

 小松さんが執筆した文章と宮原さんが描いたイラストを掲載する書籍は、7月8日発売予定。

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