秋田市内で6月6日、交通弱者の買い物支援へ向けた社会実験が行われた。
市内エリアによっては公共交通の整備が不十分なことなどから、「高齢者など交通弱者の外出支援に自転車タクシーを活用できるのでは」と、イベント会場などで自転車タクシー「ベロタクシー」を運営する社会活動グループ「SiNG(シング)」が初めて実験に取り組んだ。
高齢者福祉施設「デイサービスあじさい」(秋田市保戸野すわ町)と同施設の利用者2人が実験に協力。同団体代表で秋田市議会議員の武内伸文さんが運転するベロタクシーに乗車し、施設から約700メートル離れた食料品スーパーまで往復した。
実験に協力した80代の女性は「地域の皆さんとあいさつを交わすこともできる外出は楽しい。自分で選んで買い物するのも本当にひさしぶり。近隣の食料品店まで徒歩で通うには遠く、バスの運行本数も少ない。今後も利用することができれば」と話す。
武内さんは「外出を笑顔で楽しむ高齢の方の様子を見られたことがうれしい。高齢化が進む地域では、さまざまな手法を試す必要がある。運行の継続を検討できれば」と今後の取り組みに意欲を示す。