秋田県立図書館(秋田市山王新町、TEL 018-866-8400)で現在、50年以上前に秋田市内で運行されていた路面電車の資料展「秋田市電にゆられ展」が開かれ、当時を知る世代や家族連れの来場者を楽しませている。
運行中の「秋田市電」の映像も展示する資料展「秋田市電にゆられ展」
秋田県立博物館(金足鳰崎後山)の出張展として、50点以上の資料や300枚以上の写真、運行中の車両の映像などを展示する。
1889(明治22)年に開業した秋田馬車鉄道が起源の秋田市電。1941(昭和16)年に秋田市営となり1951(昭和26)年からは秋田駅前~土崎間の運転を開始。最盛期には1日あたり1万人以上の乗客に利用され、秋田の中心的な公共交通機関として栄えたが、1961(昭和36)年に県内で開催された「秋田国体」をきっかけに車やバスなどが普及し、利用者が減少したことや、単一線のため車両のすれ違いが難しく運行本数に制限があったことなどから、1965(昭和40)年に全線廃止された。
来場した大館市の男性は「秋田の路面電車がにぎわっていたとは知らなかった。今も残っていたら観光スポットになったのでは」と話す。
担当者は「路面電車に乗ったことのある人だけではなく、存在を知らなかった人にも資料に触れていただければ」と来場を呼び掛ける。
開館時間は10時~17時。入場無料。5月28日まで(5月10日は休館)。