東北芸術工科大学(山形県)の学生や卒業生による作品展「東北画は可能か?」が8月28日、ココラボラトリー(秋田市大町3、TEL 018-866-1559)で始まった。
同大学の三瀬夏之介准教授が2009年から展開するプロジェクト「東北画は可能か?」。学生らと東北各県を回りながら行う取材を通じて東北がテーマの絵画作品などを制作し、宮城や福島、東京、奈良などの蔵や廃屋でこれまでに15回の企画展を開いた。
同展では12号サイズの作品を中心に、長さ約3メートルの掛け軸状の作品や、10人の学生が東北と水をテーマ共同制作した縦2.2メートル・横3.8メートルの巨大絵画など約70点を展示。男鹿市出身で同大学日本画コース3年生の大野菜々子さんは、人毛を素材に使った100号サイズの「なまはげ」作品を出品。「髪の毛の持つ人の気配や力でなまはげを表現した。地元のことを考える機会にもなった」と話す。
秋田県立近代美術館(横手市)で9月14日から開催予定の現代アート展「ジパング展」にも作品を出品する三瀬准教授。「美術大学は専攻分野ごとにコースが分かれるが、ジャンルや技巧の垣根を越えた取り組みとして続けている」とし、「学生が地域の文化や歴史など足元にある事物を掘り起こしながら制作した作品群。いずれも言葉では語ることができない表現」と話す。「震災前と後に描かれた作品の違いも観賞してもらえれば」とも。
開催時間は11時~19時(最終日は17時まで)。月曜・火曜定休。入場無料。10月6日まで。