読み終えた本を街中に置き、誰かに持ち帰ってもらうプロジェクト「ブッククロッシング」の普及に取り組む「秋田県サポートリーダー」が昨秋から秋田市内で活動を始め、持ち帰られた本が同プロジェクト公式ウェブサイトに登録されるなど、秋田の読書ファンの間でも広まりつつある。
2001年にアメリカでスタートした「ブッククロッシング」は、自分が読み終えた本に「番号」(IDナンバー)を記入したシールを貼って街中に置き、この本を持ち帰った人がウェブサイトにIDナンバーを入力することで、その本がどのように読み継がれていったかを追跡できるシステム。これまでに、世界130カ国で約60万人の会員によって400万冊以上の本が登録されている。昨年、同システムの日本語版ウェブサイトが立ち上げられことを契機に、国内でも普及し始め、日本での会員数は現在、約2,000人を数える。
ビジネス書などのファンだという秋田県サポートリーダーの田崎宏明さんは、「以前、『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(光文社新書)という本に感銘を受けた時、10冊を購入して知人に配ったことがある。本には伝える力があるが、個人での活動には限界も感じていた」ところ、オンラインブックストア「アマゾン」の元バイヤーでビジネス書評家の土井英司さんによる「本が文明を救える」という言葉と、同時期に出会った「ブッククロッシング」プロジェクトに共感し、秋田でのサポートリーダーに名乗りを上げたという。
同活動について、田崎さんは「本を街中に置くと言っても、店舗にコーナーを設けてもらったり、自分が参加するセミナー会場に置いてもらうことが多い。ローカルだからこそやりやすい面もある」とし、「ブッククロッシングには本を多くの人に伝える力と、見知らぬ人へ伝えることができるという夢がある。私自身もマイペースに活動しているし、誰でも気軽に参加できるので、本を1冊でもリリースしてもらえれば」と参加を呼びかけている。
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