秋田市内を中心に現在、ビジネス向け勉強会や交流会の開催が活発化している。
近年、NPOやボランティア団体などが主催する「ゆるいつながり」がキーワードのワークショップや交流会が中心になっていたところ、昨春ごろから、「ビジネス」がテーマの勉強会や交流会が徐々に増加。
昨春、地元起業家らが立ち上げたNPO法人スイッチ・オン!(秋田市中通4)は、起業を目指す若者向けの勉強会や講演会を昨年8月から不定期開催。1月にIT関連企業など4社が立ち上げた秋田中年会議所(川尻御休町)が開く「公開会議」は、毎回40人前後の参加者が集まる人気セミナーになっている。
今月、シェアオフィス・マグ(中通2)が税理士や行政書士を講師に招いた起業家向け講座を始めたところ、主催者の想定を上回る18人ほどの市民が参加。ブライダル事業などを手掛けるイヤタカ(中通6)は6月、秋田プロバスケットボール(旭北栄町1)の水野勇気社長をゲストに招いた異業種交流会「あきた Get one ビジネス交流会」を初めて企画した。
いずれも30~40代の会社経営者らが新たに企画・主催し、フェイスブックなどのSNSを活用して参加者を募るケースが多いことや、参加費が必要な勉強会が増加傾向にあることも特徴だ。
秋田中年会議所でITコンサルティングを担当する小林秀樹さんは「若者が中心の地域活性化へ向けた活動も一回りし、より現実的な経済活動へ結び付けようとする段階に移っているように見える」と分析。
「もとより経済団体などの講演会や異業種交流会は珍しくないが、IT起業ブームや2006年の会社法施行後に起業した層が経営を軌道に乗せてきていることや、SNSの普及を通じて活動範囲や世代を超えた人間関係を築いていることも、このような機運を高める要因になっているのでは」とも。