秋田商工会議所(秋田市旭北錦町)は12月3日、「カジノを活かした地域活性化シンポジウム」を秋田キャッスルホテル(中通1)で開いた。
現在、カジノを含む統合型リゾート施設の設置を国内に10カ所ほど認める「特定複合観光施設区域法案」(通称・IR法案、カジノ法案)の国会提出へ向けた超党派議員連盟の動きも見られることに合わせて開いた。
約100人が来場して開かれた当日。渡邉靖彦会頭が「全国一のペースで少子高齢化が進む秋田では、画一的ではないインパクトある地域活性へ向けた取り組みが必要」とあいさつ。シンポジウムの講師に迎えられた大阪商業大学の谷岡一郎学長は、カジノを活用した観光振興に国策として取り組むシンガポールなどの先行事例などを紹介しながら、将来の地域発展の在り方を盛り込んだ計画の重要性などについて基調講演を行った。
同会議所・IR法案専門委員会の佐野元彦委員長がコーディネーターを務め、1996年からカジノ誘致に取り組むNPO法人「イーストベガス推進協議会」(川尻御休町)の長谷川敦理事長、同大アミューズメント産業研究所の美原融所長、博報堂カジノ研究所の栗田朗所長らがパネルディスカッションも行い、「カジノの占有率は施設全体の数パーセントほどで、ギャンブル場を作ることが目的ではないこと」や「カジノを活用した観光振興分野で国際的な遅れを取っている現状」、「カジノ誘致から発生する社会的コストへの対処の必要性」などについて、来場者の質疑を交えながら議論した。
同会議所は今後、県民を対象に同法案に関する意識調査などを予定する。