秋田駅前の商業施設で3月28日に開かれた東日本大震災チャリティーイベントに出店した通称「木内の生ジュース」が、販売4時間ほどで約500杯を完売する人気ぶりをみせた。
一日限り限定販売されたチャリティー「生ジュース」を求める市民
1965(昭和40)年、メロンやイチゴ、パイナップルなどを原料に「瀬田川果物店」が販売した同メニュー。店舗を構えた百貨店の店名から「木内の生ジュース」の愛称で多くの市民に親しまれたが2007年、店主が藤里町へ移住したのに伴い閉店した。
「広く市民に親しまれた同メニューを被災地向けチャリティーに生かせないか」と秋田市在住の武内伸文さんが、秋田駅前の商業施設「フォンテAKITA」(秋田市中通2)で開催のチャリティーイベント内で一日限りの限定出店を企画した。
店主自身の出店が難しかったことから、地元でドリンク類など飲食屋台も運営するウェブデザイナーの女性が同店から特注ミキサーを借り受けたり、店主にレシピを習ったりするなどして、「木内の生ジュース」を復刻販売した。
開店前から10人ほどがブース前に行列を作り、用意したメロン40杯が開店30分ほどで売り切れに。その後も懐かしい味を求めて集まった市民の列は途切れず、イチゴやパイナップル、オレンジなど約500杯を完売した。
イベント会場では、市内の洋菓子店や似顔絵師のほか、バルーンアートアーティストらもチャリティー出店し、訪れた親子連れやカップルなど多くの市民を楽しませながら、被災地向け義援金を募った。
「生ジュース」の販売収益の全額が義援金に充てられるほか、当日寄せられた計16万円ほどの義援金は、武内さんが主宰する社会活動団体「SiNG」を通じて被災地へ送られる。