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「社員が辞めない会社」の社員~環境技研・金子隼人さん(秋田市)

提供:有限会社環境技研 制作:秋田経済新聞編集部/監修:キャリアコンサルタント・千葉尚志

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 オフィスビルや工場などの施設に必ず設けられる貯水槽や消防関連設備。専門業者による点検や洗浄などの作業が日常的に行われることで、職場や生活の安全と安心が保たれる。日本海沿いの国道7号線・下浜エリアにオフィスを構える、1986(昭和61)年創業の「環境技研」(秋田市下浜長浜)は、これらの設備を保全する「縁の下の力持ち」業務を手掛ける会社の一つだ。平野岳志社長と役員を含め10人ほどの小さな会社ながら、社員の業務外活動を奨励する同社オフィスは、社員の生き生きとした雰囲気に包まれる。同社課長の金子隼人さん(38歳)に話を聞いた。

――主な業務内容を教えてください

 秋田市内のオフィスビルや県内工場などに設けられる貯水槽や貯水タンクの検査・清掃などが、私の主な担当業務です。秋田の冬場は積雪や凍結などにより業務量は少なくなりますので、これからの夏場が繁忙期です。暑い季節に通気性の悪い防汚服を着て、建物の屋上や地下、ボイラー室などに設けられる設備に関わる作業は、肉体的には楽ではありませんが、こなして当たり前の業務ですから、しっかり対応しています。

――入社までの経緯を教えてください

 由利本荘市内の高校を卒業後、カメラのレンズなどを製造する地元の工場に就職しました。7年ほど働き、その後、3回の転職を経て、現在の職場で4社目になります。転職は、社内の人間関係や給料などの条件が理由です。以前の会社では、業務中に怒鳴られるようなこともあり…。窓際に立って窓の外を見つめながら、「私の人生はつまらないものだったな…」などと考えることもありました(笑)。前職を辞めることを決めたタイミングが、ちょうど結婚してすぐに重なってしまい、転職活動はちょっと焦りましたが、縁があって当社に勤めることができました。

――入社何年になりますか?

 2013(平成25)年5月の入社ですので、11年目になります。当社で長く働くことができているのは、第一に人間関係が良好なことですね。給料などの条件も満足しています。

 2022年には課長に任ぜられました。会社が、これまでの頑張りを評価してくれたことは、うれしく思っています。ただ、当社の業務は、数人のチームを組んで当たる作業が多いところ、私は、元来、1人で行う作業の方が得意なんです。そのため、作業現場などでは、どうしても意思の疎通がうまくいかないようなこともあります。理想とする「課長像」も明確ではなく、リーダーの素質がないのではないかとの不安になることもありますが、しっかりコミュニケーションを取って、いい雰囲気の中で、チームが円滑に仕事できるよう意識しています。

秋田市内のオフィスビルで水質チェックを行う金子隼人さん

――人間関係が良好とのことですが、社内の雰囲気はどのようなものですか?

 これまで働いてきた会社に比べると、社長と社員の距離感を近く感じます。業務報告の場面などでは、社長と会話のキャッチボールができるため、意見を伝えやすい雰囲気です。社長が、社員の提案をよく聞いてくれる社風です。

 また、当社では、積極的に有給休暇を取ることができます。社員同士で業務を調整して休ませてもらうことができます。以前に勤めていた会社は休みも少なく、プライベートのことを考える余裕もありませんでしたが、今は余裕ができて、気持ちも前向きになりました。あと、マイホームを買うことができました。以前の会社では考えられなかったことですね。

――本格的な映像制作に取り組んでいるのだとか

 クリエーティブな作業が好きなため、時間を見つけては、動画の撮影や編集に取り組んでいます。若い男性が世界を回って撮影した美しい景色などを紹介する動画に出会ったことがきっかけです。もともと自然が好きでしたので、2023年には、鳥海山から望む朝日を撮影するため、深夜の登山もしました。制作した動画は、ユーチューブに掲載しています。

秋田県内の絶景をまとめた金子隼人さんの映像作品(hayato kaneko|YouTube

 先ほども話しましたが、1人で没頭する作業が得意なため、動画の制作を職業にしたいとの思いを持っていました。そこで、転職や起業も考えたのですが、4年ほど前、社内で映像制作事業を提案して、社内事業としてやらせてもらうことができました。同僚と2人で業務に当たったのですが、実際に事業として取り組むと大変でした(笑)。同時に、会社に守られているありがたさも感じました。

――映像制作業務は現在も続いているんですか?

 業務としては、いったん休止しています。ただ、当社は、プライベートな時間であれば自由にやらせてもらえるので、個人で請けた案件の制作に取り組んでいます。具体的には、ウエディング向け映像の案件が多いですね。年間4、5件ほど制作しています。先日、友人の依頼を受け、休みを利用して静岡に出向きました。編集作業には月70時間ほどかかりますが、依頼を受けた以上、仕事としての緊張感を持ちながら、クリエーティブな作業を楽しんでいます。

ウエディング向け動画を撮影する金子隼人さん

――これからやりたいことを教えてください

 秋田は少子高齢化が進んでいますし、どのような会社も先のことは不透明かと思います。映像制作を含め、仕事に必要なスキルを身に付けることで自立していけるよう意識しています。私の夢は、世界中の国を旅して、当地の景色や文化を撮影して回ることなんです。そのために、今できることをしっかり一つずつ積み重ねていきたいと考えています。まずは、秋田の皆さんに、高いクオリティーで撮影・編集した映像制作サービスを利用してもらうことが目標ですね。

――ありがとうございました。

【取材を終えて】
転職を繰り返し、社員の自己実現へ向けた取り組みに理解のある会社に出会うことができた金子さん。課長職に奮闘しながら、現在、副業として取り組む映像制作にも力を入れる。「今できることを一つずつ積み重ねたい」と話す金子さんの活躍に期待したい。

社員の業務外活動を推奨する「環境技研」(秋田市)の平野岳志社長(右端)と社員

有限会社環境技研

秋田市下浜長浜字兜森77-6
TEL 018-881-5454

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