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「社員が辞めない会社」の社員~環境技研・佐々木和昭さん(秋田市)

提供:有限会社環境技研 制作:秋田経済新聞編集部/監修:キャリアコンサルタント・千葉尚志

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オフィスビルや工場施設などに必ず設けられる貯水槽や消防関連設備。専門業者による点検や洗浄作業が日常的に行われることで、職場や生活の安全が保たれる。日本海沿いの国道7号線・下浜エリアにオフィスを構える1986(昭和61)年創業の「環境技研」(秋田市下浜長浜)は、これらの設備を保全する「縁の下の力持ち」業務を手掛ける会社の一つだ。平野岳志社長と役員を含め10人ほどの小さな会社ながら、社員の業務外活動を奨励する同社オフィスは、社員の生き生きとした雰囲気に包まれる。同社で機械修理などの作業を担当する傍ら、スケートボードのスケーターとしても活躍する佐々木和昭さん(44歳)に話を聞いた。

――スケーターとしても活躍しているんですね。

スポーツ用品店のサポートを受けるスケートボード(以下、スケボー)のショップライダーとして活動しています。2003(平成15)年には、「日本スケートボード協会(AJSA)」の公式大会「東北サーキット」で1位になったこともあるんですよ。スケボーを始めたのは、小学生の頃です。当時、スケボーのブームがあり、大工をしていた父が、ベニヤ板に台車に使うタイヤを付けて「こんな感じ?」と、ボードを作ってくれたのが最初です(笑)。父が亡くなって間もない中学生の頃、母が、私と姉をロスアンゼルスに連れて行ってくれました。まだ国内では珍しかったスケボー専門誌を見て、「格好いいなぁ、世界にはこういう人たちがいるんだなぁ」と憧れを持ちました。それから、プロになりたいと本気で考えるようになりました。

地元の由利本荘市内の工業高校に進学してからは、秋田市内の広場などにも足を延ばしました。そこでは、皆さんのレベルの高さに驚きましたが、私も練習に励んで、高校2年で出場した秋田市内の大会では優勝することもできました。その後、県外で開かれる大会にもエントリーするようになって、盛岡や仙台のスケーターとの交流も生まれました。レベルアップのため、サンフランシスコとロスアンゼルスにも行きました。アメリカでは、街中のさまざまな場所でスケボーを楽しむ人がいました。今はオリンピック競技にもなって、大会などに注目が集まりがちですが、スケボーは遊びなので、滑っている姿が格好良ければいいんです。サンフランシスコのストリートには、実力を伴った格好いい人、自分らしいスタイルを持つ人がいっぱいいました。

当社は、業務外活動を積極的に応援してくれるので、現在、「ムラサキスポーツ秋田店」(御所野地蔵田1)のショップライダーとしても活動しています。

スポーツ用品店のショップライダーとしても活動する佐々木和昭さん(撮影:佐藤広太さん)

――入社までの経緯を教えてください。

由利本荘市内の工業高校の機械科を卒業して、地元の会社に就職しましたが、スケボーのプロを目指していたため半年ほどで辞めてしまい、その後は、フリーターとして働きました。27歳で結婚したのをきっかけに、機械修理会社に就職しました。職人気質の先輩が多い職場で、言葉遣いなど荒っぽいところはありましたが、多くのことを学ばせてもらいました。7年ほど働きましたが、リーマンショックのあおりを受けて業務量が減っていたところ、スケボーの先輩が秋田市内で立ち上げた会社に誘われて転職しました。ただ、私がケガをしてしまい、仕事を休まなければならなくなったことなどから、1年ほどで退職しました。

当社には、機械修理や高圧洗浄など、私がこれまでの仕事で得たスキルを生かすことができる転職先を探す中で出会いました。2015(平成27)年1月から働いています。

数回の転職歴を経て「環境技研」(秋田市)で働く佐々木和昭さん

――業務内容と仕事で大切にしていることを教えてください。

当社は水処理に関する業務を中心に手掛けていますので、工場などにある排水処理施設の点検や清掃、配管の洗浄、設備に使う機械や浄化槽などの修理を行っています。機械修理や洗浄作業は、現場で行うほか、当社の作業場に持ち帰って行うこともあります。当社には、私が「師匠」と呼んでいる先輩がいます。定年で退職しましたが、今でも必要に応じて出勤して指導してくれます。「機械の仕組みをよく理解すること」や「作業上の対応に困った場合には、よく考えて工夫すること」の大切さなどを教えてもらいました。あとは、工場設備などの作業前後のチェックは慎重に行うよう心掛けています。

「機械の仕組みをよく理解することが大切」と話す佐々木和昭さん

――会社の雰囲気はどのようなものですか?

当社で働くまでは、仕事でパソコンを使うことがなかったこともあり、見積書などの書類を作るのは苦手です。社内の皆さんが、面倒がらずに教えてくれたり、困っていることを助けてくれたりする雰囲気のいい会社です。社長は、私を含めて、さまざまな個性を持つ社員に配慮しながら働かせてくれていることが伝わってきますし、資料をそろえて提案すれば、挑戦したいことの応援もしてくれます。有給の取りづらさもなく、時間の都合を付けやすいことも助かっています。スケーターとしての活動を続けるうえでも、当社に勤めることができて良かったと思っています。

――地域について考えていることがあれば教えてください。

会社の業務ではありませんが、2023年に開設された、にかほ市のスケボー向け施設「竹嶋潟スケートパーク」のレイアウト設計に携わらせてもらいました。秋田県内に同様の施設がないわけではありませんが、設計が古いため、現在のスケーターの要望に合っていないようです。そのため、同施設全体のレイアウトなどは、私に任せてもらいました。この施設は、スケーターに対する地域住民の苦情が、市に寄せられたことをきっかけに市が企画したものです。開設以降、にかほ市内外の多くのスケーターがスケボーを楽しんでいます。

スケーターの佐々木和昭さんがレイアウトを手掛けたにかほ市の「竹嶋潟スケートパーク」(撮影:佐藤広太さん)

オリンピックの効果などもあり、全国には同様の施設がたくさんできましたが、秋田市の街中にはこのような施設がありません。住民との関係から、ストリートでスケボーを楽しむことも難しいです。そのため、秋田のスケーターのレベルは、ほかの地域に比べて上がりにくいことを残念に思っています。かつて、秋田市中心市街地の日赤病院跡地などにスケーターが多く集まり、そこでは新たな交流も多く生まれていました。秋田市でも同様の施設ができないものかと考えています。

――これからについて考えていることを教えてください。

私には子どもが3人いるのですが、家族を1番大切に考えています。まずは、子どもたちを無事に成人させることが目標です。長男は、秋田市の高校の野球部でピッチャーをしています。卒業後も進学して野球を続けたいようなので、自分で逃げ道を作ることなく、信念を持ってやり続けてほしいですね。どの世界でも、そのような人が活躍していると思いますので、頑張ってもらいたいです。仕事では、当社を大きく発展させたいです。そして、給料をもっと上げていくことができれば(笑)。

――ありがとうございました。

「環境技研」(秋田市)の社員・佐々木和昭さん

【取材を終えて】約34年にわたりスケボーを続け、第一人者の一人として地元のスケーター界隈を盛り上げる佐々木さん。3児の父として家庭や仕事とのバランスを取りながら、スケーターとしての「格好良さ」を追求する佐々木さんの活躍に注目したい。

秋田市の「環境技研」の平野岳志社長(右端)と社員

有限会社環境技研

秋田市下浜長浜字兜森77-6
TEL 018-881-5454

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