昨年10月に閉館したイトーヨーカドー秋田店(秋田市中通2)内の「子ども図書館」は現在、秋田県立図書館(山王新町、TEL 018-866-8400)へ機能移転の準備を進めている。
「子ども図書館」は、童話屋(東京都杉並区)が全国のイトーヨーカドー数店舗で受託運営する児童書専門の図書館。秋田店の蔵書は約9,500冊で、1980年の開館以来、親子二代にわたる利用者も多いなど約30年にわたって親しまれてきたが、市中心部の買い物客の減少などを理由に昨年10月に閉館した。
その後、同館司書を長年務めてきた田丸美穂さんを慕う市内の母親らが、「子ども図書館応援団」を結成。田丸さんを招き、「読み聞かせ会」を公民館で開いたり、ブログで支援を呼びかたりするなど、同館再開の支援を訴えていた。
こうした声に応える形で、イトーヨーカドーも県生涯学習課(山王4)と蔵書などの受け入れ先について協議し、県立図書館が、同館内「子ども読書支援センター」の機能を充実させる目的で受け入れることが決まった。
同館にはすでに約25,000冊の児童書の蔵書があり、閲覧スペースの制約などもあることから、受け入れた蔵書を県内の読書団体に貸し出すなどの管理を同館が行い、閲覧スペースなどの旧「子ども図書館」の機能は、隣接する「秋田県児童会館」内の約83平方メートルを活用する。田丸さんも同センターの非常勤職員として、来館した児童に「読み聞かせ」などの活動を行う。
県立図書館の山崎さんは「図書館の三大要素は、本・人・スペースと言われるが、特に子どもの読書振興の観点からも、充実したサービスを提供したい」と話す。
新しい閲覧スペースは、4月23日の「子ども読書の日」にオープン予定。
同応援団の担当者は「皆さまのご支援のおかげで受け入れ先も決まった。私たちの役割も終わるが、4月12日には田丸さんを招いた子ども向け工作会を開く。応援団が主催する最後のイベントになるかと思うので、親子で楽しんでもらえれば」と話す。
イベントの詳細はホームページから。