秋田公立美術大学(秋田市新屋大川町)の受講生公募型プロジェクトが、現在、京都府京丹後市で複合芸術プログラムに取り組んでいる。
同大学大学院複合芸術科の岩井成昭教授らのグループが取り組む地域考にデザイン的思考などを加え、2つの地域とアートを結び付けながら創作活動を展開する受講生公募型プロジェクト「AKIBI複合芸術ピクニック」。「丹後ちりめん」で知られる京丹後市と秋田県内の2地域を舞台に展開する今年は、9月13日から、両地域に根付く特殊なコレクションを題材にリサーチ活動などに取り組む。
公募に応じた秋田県と京都府、東京都、山形県、香川県、沖縄県の6都府県の10人が、京都府織物・機械金属振興センター(京丹後市)や織物工場など織物関連施設を見学したり、これまでの製品やサービスの対象から排除されてきた人々をデザインプロセスに巻き込む手法「インクルーシブデザイン」の世界的権威として知られるジュリア・カセムさんら、デザインや美術、工芸、地域研究など各分野の専門家から「文化継承としての展覧会」「テキスタイルの基礎知識」などがテーマの講義を受けたりするなどしながら、一般に公開して行う成果発表へ向けた準備を進める。
岩井教授は「織物の文化から地域を、あるいは、地域から織物文化を見つめる方向で取り組みを進めている。3グループに別れた受講生が、京丹後地域に潜在する物語から、それぞれのテーマを掘り下げ、新たな物語に読み変えた成果を発表する」とし、「成果物は、社会的に機能するオープンソースとして公開する。多くの皆さんと共有できればうれしい」と話す。
同市内で行う成果発表の様子は、9月20日にライブ配信する。開催時間は14時~16時30分。アドレスは、同プロジェクトのホームページに掲載する。