公共交通の担い手の確保へ向けたバスの運転体験会が9月11日、旧秋田空港跡地(秋田市新屋町割山)で開かれた。
進む高齢化により、日常の交通手段として重要性が高まる県内の公共交通機関。一方でバスの運転士などの担い手が減っていることから、人材の確保を目的に、県交通政策課が県内バス会社と連携して運転体験会を初めて企画した。
普通免許で大型バスの運転が体験できる気軽さも手伝い、秋田市や由利本荘市、大仙市など県内のほか、青森や山形、福島、千葉など県外から参加した20~50代の男女約30人がバスの運転を体験した。
空港滑走路として使われていたスペースに約70メートルのコースを設け、用意されたオートマティック車の路線バスとマニュアル車の高速バスの2台に分乗した参加者は、2人のベテラン運転士の指導を受けながら、車線変更やカーブなどバスの運転に挑戦した。バスに同乗した子どもから「ママ、頑張れ」の声がかかる場面も。
秋田市在住の40代の女性は「運転中にミラー確認することの重要性が分かった。運転士になるための過程を教えてもらうことができて有意義だった」と振り返る。定年後の再就職先としてバスの運転士を検討しているという同市在住の50代の男性は「実際に運転することを通じて、運転士にやりがいを感じることができた。バス会社の見学会にも参加予定」と体験に手応え見せる。
現在、県内バス会社など5社が、運転士や整備士向け会社説明会の参加者を募集する。県のホームページに詳しい。