秋田市内で高齢者福祉施設などを運営する「きららホールディングス」(秋田市大町2、TEL 018-895-7272)は6月3日、施設利用者向け「リモートショッピング」サービスを始めた。
施設入居者から依頼を受けた施設スタッフが、商業施設などの店内を歩き回りながら、スマートフォンで買い物の様子を配信。施設入居者は、タブレット型端末に映し出される映像や音声を通して買い物を行うサービス。
「外出が難しい施設入居者に日常生活品などの買い物を楽しむ機会を提供できないか」(鈴木嘉彦社長)と、地域課題の解決へ向けたプロジェクトの企画・提案などを手掛ける市民有志のネットワーク「AKITA45」に相談。同ネットワークの提案を受け、スマートフォンやタブレット型端末を活用するサービスを導入した。
「ドン・キホーテ秋田店」(旭北錦町)の協力を得て、5日にサービスを利用した95歳の男性は、希望する商品の種類や数、価格などをタブレット型端末で確認しながら、果物やヨーグルトなどを購入した。
「最初は難しいのではと思ったが、ゲーム感覚で買い物を楽しめた。こういう(仕組みを使う)時代になった」と男性。買い物を終えて施設に戻ったスタッフから、うれしそうに商品を受け取った。
同サービスをサポートする武内伸文さんは「一般に店内撮影を禁じる店舗が多いところ、同店の協力により実現できた。介護施設のみならず、これからの社会に必要なサービスとして障がい者施設などにも広げていくことができれば」と話す。
同施設は、今後、新型コロナウイルスの影響などにより、直接対面することが難しい施設入居者と家族の面会などにも同サービスを活用する。