秋田県内を拠点に活動するラテン系バンド「英心 & The Meditationalies(ザ・メディテーショナリーズ)」が9月12日、約3年ぶりのCDアルバム「過疎地の出来事」をリリースする。
三種町の寺院の住職で、ブラジルやカリブ諸国で音楽経験を積んだ英心(えいしん)さんがボーカルと作詞・作曲を手掛ける、6人組の「仏教的レゲエバンド」。
デビューCDアルバム「からっぽ」は、音楽専門誌で「日本レゲエ部門」のベストアルバムに選ばれるなど注目を集め、これまでに2000枚を売り上げた。寺院や道の駅、夏祭り会場などで演奏するほか、県内外の音楽祭に出演するなど年40回ほどのライブを行う。
約3年ぶりにリリースする2作目は、一人暮らしの高齢の女性宅で法事をした際の会話を基に、スペイン語のように聞こえる秋田弁で歌う「Oi bamba!(オイ・バンバ)」や、曹洞宗の開祖・道元の言葉を伝える「いまも、いまも。」、彼岸に花を携えて墓参りする人々を描いた「恋人たちの花まつり」、前向きに生きることで感じられる希望を歌った「まわる」など10曲を収録。「人口減少や高齢化、過疎化などのワードが飛び交う地元だが、視点を少し変えれば過疎地もパラダイス」との思いをアルバムタイトルに込めた。
「お釈迦さまは、平易な言葉で法を説けと示される。仏教的なフィルターを通しながら、身近なテーマについて難しい言葉を使わずに表現した」と英心さん。「極楽も地獄も自分の心の中にある。ネガティブに見えることをポジティブに捉えなおす力を、お釈迦さまは『智慧(ちえ)』と呼ぶ。過疎地の問題は山積みだが、今を楽しむことの大切さを伝えられれば」と話す。
9月22日・23日に長野県松本市で開かれる野外音楽祭「りんご音楽祭」などに出演が決まっているほか、CD発売記念ライブも予定する。
価格は2,000円。全国のCDショップなどで販売する。