JR東日本羽越本線「新屋駅」の待合室に、本の設置や貸し借りが自由にできる本棚「小さな図書館」が設置されることが決まった。
設置に向けて準備を進めるのは、秋田公立美術大学助手の田村剛さん。近隣に学校や工業団地があり、1日の利用者はおよそ900人の同駅。電車が遅れることが多い冬期間などに待合室で持ち無沙汰な様子の若者の姿を見たことをきっかけに、田村さんが同駅に本棚の設置を提案。蔵書は市民に寄付を呼び掛けて集める。当初1つの本棚を設け、3つまで増やす予定だという。
寄付を募る蔵書は、「若いころに読んで感銘を受けて、大切に押し入れにしまったままのような本」をイメージ。運営開始後は、「1冊受け取ったら別の1冊を本棚に戻す」などのルールも検討する。
「蔵書内容は利用状況によって変わっていくことも想定している。本や本棚が移り変わる様子を駅の『景観』として楽しんだり、利用者自身に本の整理を担っていただいたりするなど、駅の待合室が小さな公共の場になれば」と田村さん。
運営開始は6月中旬を予定。夜間は無人駅となるが、「図書館」は24時間利用できる。