秋田公立美術大学(秋田市新屋大川町)で1月21日、「アートマネジメント」がテーマのシンポジウムが開かれ、同大生や美術関係者のほか、行政マンやNPO運営者ら約80人がゲスト講師の話に熱心に耳を傾けた。
同大学の岩井成昭教授のグループが「アートマネジメント」ができる人材の育成などを目的にシリーズ展開するシンポジウム。
同14日に続いて2回目となる今回は、アートマネジメントや文化政策が専門の東京芸術大学・熊倉純子教授と、文化事業のコーディネートなどを手掛ける若林朋子さんをゲストに招き、「文化事業の評価基準の現在」を題材に開いた。
若林さんは、事業を評価・検証することの必要性や実務上の手法などについて評価のプロセスを交えながら解説。熊倉教授は、自身も携わる東京都足立区が舞台のアートプロジェクトを事例に挙げながら、運営主体と地域住民や行政機関との関わり方などについて講義した。
同大学の志邨(しむら)匠子教授が進行を務めたディスカッションで、熊倉教授は「足立区のプロジェクトでは(観客)動員数などは事業評価の基準として重要視されていない」とし、「一般常識の枠で(アートプロジェクトを)評価することは難しい」ことを強調。アートマネジメントにおける助成事業との関わり方について、若林さんは、「事業の変化」や「事業主体の自立」などをキーワードに持論を展開した。
次回は2月4日、「地域特性に対応する文化事業の評価基準~ローカルメディアの視点」と題し、地方紙やテレビ局、ウェブメディアの担当者らをゲストに招いて開催予定。開催時間は18時~20時。入場無料。