秋田公立美術大学(秋田市新屋大川町)は11月7日、美術家と地域の「つなぎ手」の育成が目的のワークショップ型バスツアーを「五城目町」で行った。
同大の岩井成昭教授のグループが取り組む「ローカルメディアと協働するアートマネジメント人材育成事業」の一環としてシリーズ展開する同企画は、「男鹿半島」「秋田県南」に続き3回目。近年、官民連携の地域活性化活動などで注目を集める「五城目町」を舞台に約20人が参加して行われた。
同大で芸術人類学が専門の石倉敏明さんと同町で「地域おこし協力隊」として働く柳澤龍さんがナビゲーターを務め、500年以上続く同町の「朝市」や酒蔵、縄文遺跡資料館、ベンチャー企業のオフィスとして使われる廃校となった小学校校舎、地域づくり活動に使われる古民家などを見学して回った。
柳澤さんは、自らも携わる同町古民家を架空の村に見立てた取り組み「シェアビレッジ町村」の未来へ向けた社会的価値について解説。石倉さんは同町朝市を例に挙げながら、「長期にわたって持続させられる地域要素を見つけること」「束縛につながる単なるコミュニティーとしての市ではなく、自由交換の場として市を捉えることの意義」などについて、「交換と共有」の観点からアートマネジメントについて講義した。
初めて参加した同大3年生は「新たな取り組みを広げていくためには、新しいマーケットを私たちで切り開いていく必要があることを学んだ」とツアーを振り返った。