秋田公立美術大学(秋田市新屋大川町)は10月18日、農民彫刻家として知られる皆川嘉左エ門さんが講師を務めるワークショップツアーを秋田県南エリアで行った。
同大が、地域課題と美術の関わり方の研究やアートマネジメントができる人材の育成などを目的に一般から参加者を募って開く「ローカルメディアと協働するアートマネジメント人材育成事業」の一環。皆川さんの次男で同大准教授の嘉博さんがナビゲーターを務めた。
農業を営む生家のある横手市十文字町の工房で1960年代から木彫作品の制作に取り組む皆川さん。減反政策など国の農業政策に翻弄(ほんろう)されながらも力強く生きる農村の住民の姿を題材にした作品群は高い評価を受ける。
市民や地元大学生ら15人が参加して行われた当日。減反政策により作付けが行われなくなった田んぼを使った彫刻作品の屋外展示会場や、皆川さんが手掛けた作品が祭られる寺院、皆川さんの工房などを回り、地域に根差しながら取り組む創作活動についてレクチャーを受けた。
参加した秋田大学に通う女性は「これまで写真でしか見たことのなかった作品の実物に触れることができて感動した。アートマネジメントについて、私にもできることを見つけられれば」と振り返った。
次回は11月7日、農産物の商品開発や伝統野菜の生産・販売支援、民家を利用したシェアハウスなど地域課題の解決へ向けて活発な取り組みを展開する五城目町で開く。参加無料。定員20人。事前の申し込みが必要。問い合わせは同大事務局・企画課(TEL 018-888-8478)まで。