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秋田の「自分史」使った認知症対策の仕組み、グッドデザイン賞受賞

「メモリーブックによる認知症の予防・改善の仕組み」でグッドデザイン賞を受賞した北林陽児さん(右)と協力会社の阿部翔さん

「メモリーブックによる認知症の予防・改善の仕組み」でグッドデザイン賞を受賞した北林陽児さん(右)と協力会社の阿部翔さん

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 秋田市在住の北林陽児さんが取り組む「メモリーブックによる認知症の予防・改善の仕組み」が10月1日、「グッドデザイン賞」を受賞した。

「私の絵本カンパニー」ショールーム

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 過去の思い出に触れることで精神状態を安定させる認知症の心理療法「回想法」にのっとった「自分史」の制作サービス「私の絵本カンパニー」を運営する北林さん。

 昨年2月、認知症を患う祖母を見舞う中、祖母を撮影した過去の写真などをまとめた冊子を手作りして贈ったところ、それまで中断していた日記を再開したり、周囲への配慮ができるようになったりするなど祖母の言動に変化が見られるようになったことから、昨年10月に事業化。「介護者や被介護者らが心を通わせて感動を共有できる点」などが評価され、同賞「個人・家庭向けサービス分野」で受賞した。

 自費出版としては安価な設定で少部数の受注にも対応したほか、福祉用具のレンタル・販売などを手掛ける「かんきょう」(秋田市泉南3)の協力も得るなどし、これまでに35件受注した。

 「写真やエピソードなどをまとめ、思い出をつづる作業は顧客との共同作業。介護に当たる娘が認知症の母の過去を知ることは、介護する側にとっても心の支えになる」と北林さん。「認知症対策につながる自分史を、高齢化が全国に先駆けて進む秋田発の文化に育てられれば」と話す。

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