毎夏恒例となった「藍染と陶・とりみの山房展」が7月18日、19日の2日間、アトリオン2階の美術展示ホール(秋田市中通2、TEL 018-831-3962)で開催されている。
約75坪の広い空間を生かした会場には、染色家・八柳隆秋さんによるタペストリー約30点と、秋田市内でギャラリー兼食器店を経営する田村さん夫妻による食器や花器の陶芸作品など80点を展示。
花器には田村さんが秋田市郊外から摘んできたという夏草が生けられ、「月」をモチーフにした藍染の「紗(しゃ)」のタペストリーとともに夏のゆっくりとした時間を表現している。
八柳さんは、「月」をモチーフに藍染作品を10年以上発表し続けていることについて「工房から近い秋田・鳥海高原は星の透過率が全国で3番目に高い場所で、夜空がきれいに見えることに影響されているかもしれない」とし、藍染作品に緑色などのグラデーションやくすんだ染色を多用することについては「藍染は藍の状態で緑色や茶色になることがあるが、伝統工芸としてはあくまで『藍色』を追究することが通常で、それ以外の染色は好まれにくい。しかし、それを美しく見せることや、人の感性に訴えることもできるので、表現の幅を広げるものとして積極的に取り入れている」と話している。
展示時間は10時~19時(19日は17時まで)。