アトリオン・美術展示ホール(秋田市中通2)で3月16日から、秋田公立美術大学3年生の西川知浪さんが個展「シリクラエンルン~モモサダ」を開く。
北海道稚内市出身の西川さんは「波が荒い海に接しながら育ったため、海産物を食べられなくなってしまった」と話す。大学入学をきっかけに、海への理解を深めようと、大学近くの海辺の漂着物を観察・収集するようになったという。
「地元での体験と漂着物の収集から得た海の印象を、絵画を通じて追体験できるような作品を制作できないか」と、水で溶いた絵具をキャンバスに垂らし、水の流れでできた形を利用して制作した横幅5メートルの巨大な絵画などの作品11点を展示する。収集した漂着物の標本も並べる。
「実際に海岸を歩かないと出合えない点が漂着物収集の魅力」と西川さん。「重力や水の流れからくる独特の効果が得られた。海中という不可視の世界からゆり上がってくるものの姿や、海の豊かさに潜む、ほの暗い気配を感じてもらえれば」と来場を呼び掛ける。
開催時間は10時~17時。入場無料。今月20日まで。
18日には、ギャラリートークも開催予定。開催時間は14時~。参加無料。