秋田市出身の美術家・鴻池朋子さんと地元の美術作家ら32組の作品展「東北を開く神話・第2章『第二の道具~指人形』」が1月19日、現・秋田県立美術館(秋田市千秋明徳町)で始まった。
アートによる地域活性化活動に官民で取り組む「あきたアートプロジェクト」の一環として、鴻池さんと地元の美術家が協働で開く展覧会は昨年に続き2回目。縄文時代の道具が、狩猟や工作などに使う「第一の道具」と、土偶や呪術に使う石棒などの「第二の道具」に分類されることから、「仮に現実世界に手詰まり感があった場合、『第二の道具』の存在が閉そく感打開へ向けたイメージのきっかけになるのでは」と、「指人形」を現代における「第二の道具」に位置付けて企画した。
作品は、県内のユニークな地名や伝承などを組み合わせて作った「神話」に沿って制作。会場全体を地図に見立て、「縄文土器」などと併せてディスプレーした。美術作品ながら、指人形らしく自由に指を入れたり触ったりすることもできる。
作品を出展した美術系高校に通う村上美樹さんは「お題に沿って訪ねた湯沢の酒蒔(さかまき)で印象に残った『田んぼに干された稲わらのある風景』から想像を膨らませた」と制作意図を解説する。
来場者には出展作家や手芸ファンらが制作した5~10センチほどの指人形を進呈する。
開館時間は10時~17時。入場料200円(小学生未満は無料)。2月3日まで。