
日常的に発生する音を楽しむ高齢者向けワークショップ「日常のための練習曲」が3月10日、介護付き有料老人ホーム「グリーン」(秋田市外旭川)で開かれた。
「変化の少ない老人ホームの生活で、ちょっとした違いに気付くきっかけになれば」と、フォーエバー現代美術館準備室(新屋大川町)とアートスペース・ココラボラトリー(大町3)が企画した同ワークショップ。「音」をテーマに国内外で活動するサウンドアーティストのmamoruさんが、施設内の生活音や日用品が発生する音などを紹介した。
施設の床を歩く靴音やペンを使って紙に模様を描く時の音、ストローを吸い込む音、ハンガーが風に揺れてぶつかり合う音、電気ポットでお湯を沸かす音など、日用品が発生する音を耳の不自由な参加者向けに設置したスピーカーを通して紹介したり、数種類の音を組み合わせて旋律に変化させたりするパフォーマンスも披露。約20人の参加者は、mamoruさんが繰り広げる音の世界を楽しんだ。
「今まで聞いたことのないような音を聞いて、新鮮で爽やかな気持ちになった」と90代の男性。mamoruさんは「高齢者施設でワークショップを開くのは初めて。驚いたり楽しそうだったりする皆さんの反応が興味深かった。普段は気に留めないような日常の音を楽しんでいただけたのでは」とワークショップを振り返った。