秋田県湯沢地方を中心に制作される伝統工芸品「川連(かわつら)漆器」の企画展「見る・知る・触れる川連漆器」が2月25日、秋田県庁第二庁舎・ものづくり展示ホールで始まった。
国の伝統工芸品にも指定される「川連塗り」。鎌倉時代、農民の内職として武具の漆塗りから始まったとされ、400年ほど前には食器類など日常生活用品として産業の基盤が作られたという。
「地元の伝統的な技術への理解を深めることで、産業教育の一環として役立てたい」(産業経済政策課の鈴木和朗さん)と、同ホール初の企画展として準備を進めてきた同展。伝統的な沈金・蒔絵などの技術を盛り込んだ製品のほか、現代風のデザインにアレンジした製品や漆をしみ込ませる技法で開発した麻素材など約60点を展示する。映像やパネル、製作中の現物も使った製造工程を紹介するコーナーも展開。
鈴木さんは「近年は地元の作家が洋食器風にアレンジしたデザインシリーズを展開するなど新しい動きもある」とし、「川連漆器はもともと日常使い向けの食器。ご飯やみそ汁用のお椀というだけではなく、もっと用途を広げられれば」と話す。
関連イベントとして、「川連漆器のデザイン」をテーマにした公開講座(3月25日)やオリジナル漆器コースターを作る体験教室(同26日)も開催する。
開催時間は9時~17時。土曜・日曜・祝日閉館。入場無料。展示は5月14日まで。