記録的な豪雨による浸水被害に見舞われた秋田市内で、現在、飲食店の炊き出しが広がりを見せている。
記録的な豪雨により、7月15日に太平川が氾濫したほか、JR秋田駅など市中心部などで内水氾濫が起きるなど広域が冠水した秋田市内。
市中心部を流れ、氾濫が心配された旭川沿いで浸水被害を免れた「讃岐うどん2代目WATARO」(秋田市千秋明徳町)を営業する藤田睦さんは「避難所の皆さんのためにできることを」と、16日、おにぎりを提供することをツイッターで呼びかけた。来店者から代金を支払いたいとの申し出も受けたことから「利用者の負担にならないように」と支払いを利用者に任せながら、「3升(約6キロ)の米を夢中でにぎった」。同店に米を提供する市民も現れた。「助け合いの気持ちが連鎖した」と藤田さん。
17日、総菜などを作る「食彩工房ゆきつかさ」(湯沢市)は、急きょ、ナポリタン140食分を用意。取引先のスーパーを通じて、秋田市などの避難所に届けた。店主の塩田幸司さんは「友人も被災した。空腹では気持ちも沈む。食べて元気を出してもらいたかった」と話す。同日、キッチンカー「仙秋屋」とサッカーJ2「ブラウブリッツ秋田」スタッフは、避難所の秋田市西部市民サービスセンター(新屋扇町)で炊き出しを行った。
18日現在、浸水被害により営業を再開できないコンビニやスーパー、ファストフード店などがあることから、「ゼッキーニ ピッツァ バンカレッラ」(中通4)は、浸水被害の大きかった東通地区と広面地区の町内会などを対象に、19日にキッチンカーを使うピザの炊き出し場所を募る。「ピッツァを作ることしかできないが、少しでも役に立てれば」と店主の大関真吾さん。問い合わせは、同店(TEL 018-838-5022)まで。