市民有志が持続可能な社会を目指して取り組むフリーマーケット形式のチャリティー活動「わらしべ貯金箱」が5月21日、運営15周年を迎えた。
秋田市保戸野通町にあるチャリティー活動の拠点「わらしべはうす」
家庭に眠る衣類や雑貨類などを市民に募り、寄せられた品を必要とする市民が自由に値を付けて引き取ることで集まる資金を地域活性化活動などに充てる取り組み。「どんな小さな町でも、不用品を売買して社会貢献に役立てようとするイギリスなどの習慣を秋田でも」と、秋田市在住の武内伸文さんが、外資系コンサルタント会社勤務を経て留学したイギリスなどヨーロッパでの見聞を生かし、2007(平成19)年5月21日、市民に呼び掛けて始めた。
商業ビルのオープンスペースで開いたマーケットイベントを皮切りに、2012(平成24)年6月には常設スペースを設置。翌年12月からは、菓子店だった店舗でチャリティーショップ「わらしべはうす」(保戸野通町)を拠点に活動を続ける。
集まった寄付を基に自転車タクシー「ベロタクシー」を導入したり、地元商店街の活性化イベントの運営資金に充てたりするほか、東日本大震災の直後には、市民から提供を受けた自家用車と合わせて被災地の支援に役立てるなど、広く社会貢献につなげる。現在、人道支援を目的にウクライナへの寄付を募る。
「コロナ禍により週1日の運営だが、それでも、月に延べ30人以上の皆さんが家庭の不用品を持ち込んでくれる。多くの皆さんの協力やスタッフの尽力があってこそ続けられている」と武内さん。「持続可能な社会の実現へ向けて、どなたでも気軽に参加できる活動をとの思いで始めた取り組みの輪を広げられれば」と話す。
営業時間は土曜10時~15時。