秋田市在住の探検家・高橋大輔(高はハシゴダカ)さんの新刊「仮面をとった浦島太郎」(朝日文庫)が4月7日、発売された。
実在したロビンソン・クルーソーの住居跡を発見したことを皮切りに、伝説などを題材に探検、執筆などに取り組む高橋さん。2002(平成14)年から、昔話「浦島太郎(浦島伝説)」に登場する「カメ・竜宮・玉手箱」などの謎の解明に挑み、2005(平成17)年には「浦島太郎はどこへ行ったのか」(新潮社)を出版した。
その後、テレビ番組と連携するなどし、浦島太郎のモデルとされる日本書記の「浦嶋子(うらのしまこ)」伝説が残る京都府丹後半島を足掛かりに各地を回り、中国大陸にも足を延ばしたり、発信機を付けたウミガメを追跡したりするなどして検証を深め、「その正体をめぐる四七八年のミステリー」との副題を付けて同書にまとめた。
高橋さんは「この伝説には、玉手箱を開けて老人にならない話と冒頭にカメが出てこない話の2系統がある。『カメあり・老人なし』型と『カメなし・老人あり』型に分けられる」とし、「浦島太郎には七不思議があり、それらを全て読み解くことで、伝説の真髄に到達することができる」と話す。「浦島太郎は竜宮城からの帰還までに300年かかったが、私も伝説の追跡を始めて20年。長期熟成するウイスキーを作っていたかのような感慨」とも。
文庫版、252ページ。価格は847円。Amazon Kindle電子書籍版は800円。