秋田公立美術大学(秋田市新屋大川町)が、現在、ワークショッププログラム「AKIBI 複合芸術ピクニック 秋田/沖縄」の受講者を募集している。
2020年に初めてオンラインで開いた「AKIBI複合芸術プラクティス 旅する地域考」
同大学と同大学院複合芸術研究科が中心となって、2015(平成27)年からアートと地域を題材に展開する「地域考」プログラム。
今年は「中央を介在させない創造的辺境として両地域が持つ生活や文化、社会問題などを扱うことは、単なる2地点の比較考察にとどまらず、さまざまな地域に適応できる新しい視座の獲得につながるはず」(美術家で同大学院教授の岩井成昭さん)と、さまざまな分野で活躍する両県の専門家をゲスト講師に招き、「夏編」「冬編」に分けて開く。受講者は、専門家のレクチャーやディスカッションを通じて得た関心や地域への問いなどを調査し、成果物として、「ピクニック」の実践に向けたガイドブックの作成に取り組む。
ゲスト講師は、福禄寿酒造(五城目町)蔵元の渡邉康衛さん、北秋田市くまくま園の園長で獣医師の小松武志さん、秋田の地域性などに造詣の深い会社経営の鐙啓記さん、秋田県立近代美術館(横手市)学芸員の鈴木京さん、秋田魁新報社社会部長の松川敦志さん、琉球大学農学部准教授で森林環境科学などが専門のバム・ラザフィンラベさん、沖縄県在住の映画監督・城間あさみさん、沖縄県立博物館・美術館の学芸員・豊見山愛さん、沖縄タイムス編集委員の阿部岳さんら10人以上を予定する。建築家で同大学院教授の岸健太さん、映画監督で同大学准教授の石山友美さん、文化人類学者で沖縄県立芸術大学准教授の呉屋淳子さん、同・音楽家の向井大策さん、同・美術家の阪田清子さんらが、受講者の指導・助言役を務める。
募集対象は、大学生や大学院生のほか、アーティスト、地域プロジェクトなどに携わる社会人、行政関係者、NPO職員、メディア関係者など。年齢や経験、居住地などを問わないが、プログラムの全日程を受講することが条件。
同プロジェクトを統括する岩井さんは「1食分の食事をバスケットに詰めて、気持ちの良い場所と時間、出来事を求めて屋外で時間を過ごす『ピクニック』は、リラックスしていながら、機動性も有するキーワード。秋田と沖縄の地域の関係性を探り、共通点と相違点をひも解きながら、不断のイマジネーションをこの時代に刻みたい」と話す。
開催期間は、9月11日~25日のうち7日間と、2022年1月8日~15日のうち8日間を予定。受講料は5,000円。定員は10人前後。応募締め切りは8月29日。ホームページから応募する。