秋田市在住の陶芸家・田村一(はじめ)さんのガラス作品展「乱反射する結晶と粘り」が1月18日から、秋田市新屋ガラス工房(秋田市新屋表町)で開かれる。
栃木県益子町で陶芸に携わった後、2011年に帰郷し、秋田市仁別に工房を構えた田村さん。食器類などの実用品のみならず、アート作品や酒造会社とのコラボ作品など型にとらわれない造形で注目を集める。
窯(かま)を使う窯業ながら、素材のほか、重力や温度の扱いなど制作過程のアプローチが異なるガラス工芸と陶芸。「手で直接触ることができないこと」や「一人ではできない共同作業が必要なこと」など陶芸と異なる難しさがあったが、昨年12月、秋田公立美術大学(新屋大川町)教授で同工房リーダーの小牟禮尊人(こむれたかひと)さんから「ガラスを液体と考えて表面張力を生かすこと」などのアドバイスを受け、田村さんらしい作品群に仕上げた。ガラスの食器類やオブジェなど50点ほど展示する。
「陶芸ではがっちりした作品を作ることが好きだが、ガラスの制作を通じて『揺らぐ』ことを許せるようになった。今後の陶芸活動に生かすことができれば」と田村さん。小牟禮さんは「短期間での制作だったが、ものづくりは時間だけでは測ることができないもの。作品の展示空間まで含め、異素材を扱う作家との交流は当工房の若いスタッフにとってもいい刺激になったのでは」と話す。
開館時間は9時~16時。入館無料。今月29日まで。