秋田県建設交通政策課は6月30日、県の第三セクター鉄道「秋田内陸縦貫鉄道」「由利高原鉄道」の両鉄道をPRするホームぺージ「Jango(じゃんご)鉄道」を開設した。
近年、沿線住民の減少などが理由で乗車率の低迷に悩む両鉄道。数年前からは、ユニークなイベント列車の運行を積極的に行うなど、両線の観光資源としてのPRにも力を入れている。ホームぺージ開設もその一環。
秋田弁で「いなか」を意味する「Jango(じゃんご)」がタイトルのホームぺージでは、両線各駅の飲食店や土産屋などの観光情報などを発信する。8月下旬には、メールマガジンの配信も始めるほか、乗客による投稿式コンテンツも設ける。
今年、20周年を迎えた1989年開業の「秋田内陸縦貫鉄道」は、北秋田市・鷹巣駅から仙北市・角館駅までの約94キロを南北に縦貫するローカル鉄道。例年、初夏には車窓からホタルを鑑賞する「ホタル号」、秋には車窓からの紅葉狩りを楽しむ「トコトコもみじ号&みのり号」、冬は運転士と車掌がサンタに扮(ふん)して乗務する「サンタ列車」など、「日本の原風景」と称される秋田県内陸部の景色を生かしたイベント列車も運行する。
由利本荘市・羽後本荘駅から矢島駅までの23キロを結ぶ「由利高原鉄道」は1985年開業。今春、オスカー受賞の滝田洋二郎監督の作品としても話題になった秋田の釣り少年を描いた漫画が原作の「釣りキチ三平」にあやかり、車体に三平が描かれた「釣りキチ三平号」を土曜・日曜・祝日に運行。車内には、映画の撮影風景や出演俳優の直筆のサインなどを展示するほか、アユ釣りざおやアユなどの本物のはく製も展示する。5月からは、沿線の観光案内や高齢者への乗降補助などを目的に「列車アテンダント」が乗務する取り組みも始めた。
同課担当者は「各駅のバリアフリー状況など、利用者の利便性を高める情報や、これまではほとんど注目されてこなかった無人駅の周辺のスポットも発掘していければ」とホームページの開設効果に期待を寄せる。